小児歯科臨床 H24年7月号 編集後記
今月号の特集「口腔機能を考える」を担当しました。
近頃のテレビに出てくるタレントやアナウンサーで“滑舌”(かつぜつ)が悪い方が増えているように思いますが、皆さんはいかが感じられているでしょうか。“滑舌”は慣用的に発生した新語で、【舌を滑らかにして発声をはっきりさせる】から“活舌”とも書かれていますが、放送業界の業界用語だそうです。
近頃の患者さんの中で、親子揃って、舌突出癖の方をよく見かけます。子どもは周囲、とくに親からの模倣で学習していきます。しかし親からの“口移し”の離乳食が否定されている今、赤ちゃんは親がどのように口を動かしながら食べているかを見て学習する機会も減少しました。
まして親の軟食嗜好から、噛む力も回数も減り、食事中に何気なく飲む水分によっても唾液の分泌をどんどん低下させています。その結果、知らず知らずのうちに口腔機能を低下させているのでしょうね。子どもたちへの環境づくりに大人の責任は重大ですね。
(J.T)