小児歯科臨床 H27年7月号 編集後記
円安・株高で、景気がいい話がある中で、現実、生活保護家庭やひとり親家庭がずいぶん増加しています。その中にはむし歯もひどく、いつも同じ服を着てくる子（私は気が付かなかったのですが、やはりスタッフは見るところが違いますね）が当院に通ってきています。まさしく子どもの貧困率が増加している現状が窺われます。昨年当たりから、子どもの貧困対策が真剣に取り組まれだしました。日本のひとり親の家庭の貧困率（54.6％：2012年）は世界的に見ても極めて高く、昨年、阿部総理は「子どもたちが夢と希望をもって成長していける社会の実現を目指していく」と、子どもの貧困対策会議でこう述べたそうです。とにかく、母子家庭の母親たちに対する就労支援にも、もっと力点を置いて、親から子供への「貧困の連鎖」を防がなければなりません。幼保連携（幼稚園と保育園を合体）や病児保育・病後児保育の確立など、今は出来るだけ母親が働きに出ても周りがちゃんと支援ができる体制を整えられる環境づくりが大切です。
（J.T)
