初めての方へ

医療者向け向け情報Information for professionals

【注目! アイデア医院】 『子どもの遊び場からユニットが丸見え!? 』

2003.10.23

歯科関連業界のメールマガジン「Oral Care EXPRESS 2」に当医院がとりあげられました。
そのメール内容を紹介させて頂きます。

独創的な医院経営のヒント
Oral Care EXPRESS 2 Vol.4
2003.10.22

★☆★【注目! アイデア医院】★☆★
▼子どもの遊び場からユニットが丸見え!?
~兵庫県・医療法人 社団 とくなが小児歯科クリニック“レオ”~
【子どもたちに「歯医者さんって楽しい!」と思わせるために……】

待合室では機嫌のいい子どもたちも、いざ診療室に入った途端、「怖い~、嫌だ~」と大泣き。しかも、ひとり泣き出したら、さぁ大変! 連鎖反応で他の子どもたちの泣き声が一斉にこだまし、大合唱がはじまります。ところが兵庫県のとくなが小児歯科クリニック“レオ”では、大泣きしながらお母さんに手を引かれてきた初診の子も、2回目以降は涙知らず。院内はいつも元気な子どもたちで あふれ返っています。それにしても、いったいどうやって子どもたちに「歯医者さんって楽しい!」と思わせているのでしょうか。

【最初が肝心! 泣いたまま帰らせない】

昭和54年に開業して以来、徳永院長は数え切れない数の子どもたちと触れ合ってきました。院長によれば、子どもから見て「この先生は、泣けばやめてくれそうだな」と直感的に感じ取っているといいます。「泣いちゃったから今日はここまで。治療は次回にしよう」と切り上げてしまうのは絶対にご法度。ある年令(およそ3歳半)を過ぎている子どもには「ゴネても通じない」ということをわからせてあげることが大切だとおっしゃっていました。そして何より強調していたのが、「泣いたまま帰らせちゃダメ」ということ。何でもいいから、やったという自信をつけて帰すこと。泣いたまま医院を後にしたら、次回もまた泣きながら来院することになるからだそうです。

【ユニットが見える場所につくられた遊び場】

しかし、ひと口に「泣いたまま帰らせない」といっても、けっして簡単なことではありません。そこで院長は、ある独創的なアイデアを実践しています。「ほら、あれを見て。ユニットが見える位置にあえて遊び場をつくったんですよ。遊 びながら、お友だちが上手に治療を受けている様子が見えるでしょ」と院長。そこは、まさに診療室のど真ん中!? ふつうであれば、とうてい遊び場にしようなんて考えもつかない場所です。ポイントは、他の子どもたちが治療を受けている様子が見えるポジションであることだといいます。

【効果が大きい分、危険と背中合わせ】

さらに、もう1つおもしろい背景が! よく付き添いで兄弟姉妹が来院します。
彼らは治療を受けるわけではないのでストレスを感じていません。兄弟姉妹の治療が終わるまで、ただ楽しく遊んでいればいいわけです。ようするに楽しそうな子どもの1人として、無意識ながら“モデル(模範)”の役目を果たしてくれているのです。ただし! 「このアイデアは一朝一夕にはいきません。子ども同士が遊んでいれば、ウロウロ動き回ったり、物が飛んできたりすることだってあります。そんな状況の中、すぐ近くで他の患者さんの治療をすることになるわけですから……。常に事故の危険と背中合わせなんです。だからスタッフ全員、鋭く目を配り、一時たりとも緊張の糸を緩めることはありません」と、徳永院長は釘を刺します。みなさん、顔は笑みでも神経は常に研ぎ澄まされた状態なのですね。

【人は感情を模倣する】

誰かが金槌で親指を打ってしまった光景を想像してください。エクスプレス読者の先生方は、どんな表情をしますか? 痛そうにしかめっ面をするに違いありません。つまり、その人の感情を模倣したわけです。遊びに夢中になっているようでも、子どもたちは敏感に周囲の動きを感じ取っています。さっきまで一緒に遊んでいた友だちが自分から進んでユニットに座り、院長やスタッフと楽しそうにおしゃべりしている。その様子を目にしたとき、子どもは自然と感情を模倣するのです。今回は、とくなが小児歯科クリニック“レオ”の独創的なアイデアをご紹介しました。ぜひ、医院経営のヒントとして参考にされてはいかがでしょうか。

川西市広報掲載記事
【○○ちゃんが上手にできるなら、ボクにだって……】

お友だちの治療風景が見えることで、「な~んだ、○○ちゃんにも上手にできたんだからボクにもできる。ぜんぜん怖くないもんね」という効果を生みます。
この遊び場ができてからというもの、ほとんどの子どもたちが名前を呼ばれると 「ハイ!」と元気いっぱい返事をしてユニットに向かい、治療後に泣きじゃくっていた子どももしばらく遊んでから笑顔を取り戻して帰っていきます。子どもたちにとっては遊び場でもあり、“学習の場”でもあるようです。

初めての方へ