2008年度 第25回公衆歯科衛生研究会

“ガッテン流でキャッチコピーに挑戦しよう!”
当日出し物は
1.グル−プワ−ク:“ガッテン流でキャッチコピーに挑戦しよう!”
******************* 愛知県  三角洋美先生
2.あなたの心にやさしく響く健康支援の一言  〜元NHKアナウンサー鈴木健二氏の極意に学ぶ〜
*****************************************************************大分大学 住田 実先生
3.入れ歯友の会レポート   歯科医院では絶対聞けないデンチャーズの本音トーク
********************************************************ハガ・イッポン:香川県 田中玲子先生・本田理恵先生
4. ボクのお年玉 
**************************************************************** 岡山大学 岡崎好秀先生
5.「元気ハツラツ予防歯科」 
****************************************************************** 宮崎県日南市 桜歯科 河野秀樹先生
6.『喫煙同居者を禁煙外来へ誘うキャッチコピー -子どもは一人で歯医者に来ない-』
*************************************************************** 宮崎県串間市 のだ小児科 野田 隆先生
7.「食べること、話すこと、生きること! チームワークの子育て」 〜障がいがあるからできた仲間の輪〜
ダンス サインダンス教室 「はんずtoはぁと」メンバー一同 曲目   夢想(リュ シウォン)   翼をください(レーナ マリア)
*************************************************************** 多田京子、安羅愛子、安羅いづみ、他
8. 替え歌ライブ ・「歯っぴい、噛む、カム〜小学校の授業から〜」 
***************************************************************岐阜市 稲葉幸二先生
9.「 噛めちゃんのルンルン アンチエイジング・エクセサイズ」(紙上発表)
************************************************************** 大阪市 久保一代先生 
10. 「新しいライフスタイル・価値観で社会をデザインするスマイルスタイル」
 **************************************************************兵庫県   スマイルスタイル 塩山諒先生
11. FREE HUGSから考える「抱きしめる」ということ
**************************************************************大阪市 スマイルスタイル  田川 香絵



特別講演:
『NHKがダメな会社だったから…』
〜ガッテン流!「行動変容」を目指したプレゼン術〜


NHK科学・環境番組部専任ディレクター 
「ためしてガッテン」演出担当デスク 北折 一先生


かつてないレベルで保健指導の重要性が叫ばれ、性急に「結果」を出すことが現場に強く求められる時代になってきた。「結果」を出すために必要不可欠なものとは、一般人にはまったくなじみのない言葉、「行動変容」である。
今回の講演では、演者がNHKの科学情報バラエティ番組「ためしてガッテン」(水曜夜8時〜総合)を制作する中で習得した「確実に伝えるためのワザ」および「知識を行動に移してもらうためのポイント」を示していく。例えば、従来の調理法を根本から見直し、激ウマの豚汁やチャーハンを作れるように変わるのも、また、食事と運動の量をコントロールした体重管理法で成功者が続出するのも、まさに「ガッテン」が視聴者の行動変容を目指し続けているからである。
実をいうと、「ガッテン流のプレゼンテーション」が確立されてきた背景には、NHKの「ちょーダメダメぶり」が、大きく存在する。視聴率は下がり続け、大看板番組であるはずのNHKスペシャルなどは「2桁なんてまずめったに取れない」という事態。なぜそうなのか。すごく簡単に言えば、多くの人が「見たいと思わない」から。すなわちそれは、見たいと思わせていないからなのだ。
情報は、相手が受け取ったときに初めて情報になる。受け取らなければ、どんなに重要な内容でも、どんなに必死に投げかけても、情報とはまったく呼べないシロモノでしかない。NHKスペシャルの内容がどんなに素晴らしくても、見なければゼロ。歯磨きの大切さをどんなに心を込めて伝えても受け取らなければゼロ。そんな当たり前のことがなぜ認識できないのか。
ひとつの大きな理由は、その情報が「大切な情報だから」だ。大切なんだから受け取るだろう…受け取るべきよ…受け取らないとあなたが損するのよ…知らないからね。はっきりとそう意識している人はいないと思うが、心のどこかにそんな思いが潜んではいないだろうか。
情報が大切であればあるほど、確実に届け切るための特別な工夫をするべきなのに、情報の大切さに乗っかってしまい、「工夫する努力」を怠りがち。患者さんのために「よりよい情報を仕入れよう」と努力する人ほど、逆に陥ってしまう罠。それが、NHKの多くの番組作りと保健指導に共通する問題点ではないかと、私は考えている。
「ガッテン」では、例えば「禁煙」がテーマなら、取り上げることが決まった時点から、「禁煙をお勧めしない番組にしよう」という方針を立て、制作した。しかも喫煙による健康被害についても、「ひとことも触れないでおこう」と最初から決めていた。その方が、よい結果につながると考えたからである。例えば、「がん」の放送回では、冒頭に「がんになるかならないかは、運次第である」と宣言した。もちろん、その方が、よい結果につながると考えたからである。こうした考え方がなぜ生まれるのか、その背景についても述べていきたい。また、最近話題のメタボ対策を、ちょー簡単に実行するための方法論についても、時間が許せばお話ししたいと考えている。
テレビ局ディレクターといった部外者の視点を、今後の歯科保健指導のヒントにしていただければ幸いである。 …てなことを、「抄録」だからって、ちょっと硬めの表現で書いてみちゃったりして。ではでは、会場でお会いできるのを楽しみにしてまーふ。


北折 一先生のプロフィール
1964年生まれ 愛知県出身 名古屋大学文学部(社会学専攻)卒
1993 「ためしてガッテン」立ち上げに参加。
演出担当デスクとして内容チェック・ストーリー作成・スタジオ演出・編集に名ディレクターとともに携わる。
NHKの受信料は,ぜひ直接”北折 一”さんに払いたい・・・と誰もが思っている。
20007年「死なないぞダイエット」で大ブレイク・人気急上昇

〔専門〕番組演出、プレゼンテーション、消費者意識。得意技はダイエット
〔著書〕「死なないぞダイエット」アスコム・「かまぼこはなぜ11ミリで切るとうまいのか」サンマーク出版・ 「ためしてガッテン 健康・生活・料理・人生 選りすぐり○×クイズ」幻冬舎


北折 一先生の資料。
1.朝日新聞2007年10月10日 朝刊 ”ひと”より
2.行動変容を目指したプレゼンテーションの技法”デンタルハイジーン2005年8月”より
3.”メタボ撃退がニッポンを救う!”より
4.”死なないぞダイエット (ザ・クインテッセンス2007年12月号)”より
”5.人体実験”繰り返し”危険な体に・・・”北折 一さん
6.かな心育てていますか ”情報センタ-通信 第22号”
7.どう読み解く?どう伝える!?健康情報
8.消費者問題教員養成講座「どう伝える?どう読み解く?テレビ情報からメディアリテラシーを考える」
9.ガッテン流!行動変容を目指したプレゼンテーションの極意  “伝える”裏ワザ教えます!
10.男子も厨房で“ガッテン!”が旬
7.どう読み解く?どう伝える!?健康情報




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